2016年7月30日土曜日

ウパ近況+α

我が家のウパ、「凶ちゃん(♂、左)」と「くぅちゃん(♀、右)」。
水槽の壁越しで話をしているように見えます。
なぜ壁を設置したか?それは
「一緒にするとすぐに産卵されてしまう」
ためです。
くぅ「全くケチよね―、うちの館長」
凶「自分のとこじゃ四回も産ませているのになんでこっちはダメなんだよ、クソッ」
と陰で言われているかもしれません。

そして上二匹の子供のうち唯一当館に残ったのが、(他の約60匹は里子に出しました)上の「ハンニバル」。孵化からちょうど2年になりました。 ただ今全長約12cm。20cm超えの親たちよりは小ぶりですが、経験からするとこれから成長のスピードが上がると考えられます。
で、総排出口(尻の穴)を覗いてみたら …モッコリしていません。
ということは女の子?だとしたら「ハンニバル」はふさわしくない??
兄弟を食べて成長したというとんでもない個体なので「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター教授から名前を頂いたのですが、性別に合わせた改名が必要かも
エリザベート・バートリ」とかはどうかな…
(リンク先を開くとWikipediaの該当欄に飛びます。)

【おまけ】
 金魚掬いでつれてきたキンギョ2匹は二週間経った今も元気に泳いでおります。
 2匹がタフだったのか、コケで適度に汚れた水槽が環境としてよかったのか。
 ともかく当水族館正式メンバーに入れてよろしいかと。

2016年7月22日金曜日

ヘタクソ(レッドサラマンダー)

いや何がって、餌食べるのが下手すぎる。
コオロギを主食にさせているのですが、
・触覚や脚が顔に触れるとすぐ引っ込んでしまう
 (変なところで神経質)
・狙ってから咥えるまで平気で5〜10分かける
 (ピンセット持っているこちらの手が痺れてくる)
・しかも咥えそこねたりすることも多々
もう彼?(性別不明)とは7年の付き合いになりますが、ヘタクソぶりはお付き合い開始以来全く治りません。これで自然界でどうやってサバイバルしているのか?検証ゼロの仮説として、
・寒冷地原産なので餌も動きが鈍い
・しかもナメクジのようなダッシュ力のない種が主食
辺りではないかと考えております。

以下はある日の朝のエサやりです。(殆どルーティンワーク)
▲隠蔽性が強いので普段は石の下に隠れているが、デブなので腹の一部がはみ出していることが多い。

 ▲石をどけたところ。別の隠れ場所にダッシュすること無く、ボケーとしております。
「ん…、ご飯?」

 ▲5分前後の対峙を経て漸くコオロギを咥えたところ。

 ▲振り回して喉の奥に入れる。この時取りこぼすことが結構多いのでハラハラ。
 (今回はうまくいきました)

▲とりあえず満腹した模様。(幾らでも食べるということはない)
 全長約20cm、堂々たる腹回り。(デブ1号と命名しております。2号は鬼籍に
 レッドサラマンダーの若い時の体色は鮮やかな(←まさにこの色)だが、加齢とともにくすんで来ます。まっ茶色になる個体も多いと聞くので、うちのは結構赤味が残っている方なのではないかなと。
 それにしても本当にマイペースというか何というか… これに対して他の当館の陸棲有尾類さんたちはどんなもんでしょうか。

 ファイアサラマンダー
動作はゆっくりとしているが確実に一口で食べる。
満腹したらそれ以上は食べないところはレッドサラマンダーと同じ。
※昔飼育していたマダライモリ、アメイロイボイモリ、スポットサラマンダーも同じような感じでした。いずれもレッドサラマンダーよりペットして広く流通しているので餌やりがし易い性質なのでしょう。

 オビタイガーサラマンダー
食欲バカ一代。有尾類なのにジャンプして食べに来る上に食欲に上限がない。
浸かっている池に補充の水を注いだらそれまで餌と勘違いして「水に食いつく」という未聞のバカっぷりを開陳。

う〜む、レッドサラマンダーとオビタイガーサラマンダーが両極端だな…

2016年7月21日木曜日

二つの「安心」(魚とカエル)

先日5年ぶりに持ち込まれて館長を大慌てさせたキンギョ2匹ですが、お陰様で今のところ元気に泳ぎ、エサをつついています。祭り側の管理体制が改善されたのか、偶々頑丈なのにあたったかどちらか(それとも両方)なのでしょうか。とはいえ油断は禁物なので水槽用扇風機を回して水温25℃以下をキープさせています。
(あと、苔拭きと2/3の水換えもしました)
倍くらいのサイズになってくれると嬉しいです。

次にホッとしたのは、ヤドクガエルの餌のショウジョウバエ(ウィングレス…羽なしなのでハエというよりも小さなアリにしか見えません)の養殖がほぼ軌道に乗ったこと。一本の飼育管から株分けしたところ、順調に繁殖してくれていまや9本になりました。
上の写真は本日株分けした新しい飼育管です。一週間後くらいに幼虫が見えるようになり、さらに一週間後には成虫に羽化(羽はないのですが)します。
一回あたり与える量は大体上の写真に写っている位です。上のは株分け直後なので数が少なめですが、 順調にいけば3倍位の成虫と蛹でビッシリになります。で、飼育管9本を確保しておけば当面は高いカネ(飼育管3本につき弐千圓也)を払わずに済みます。経済的にも安心してエサをあげられるようになりました。

で、当のヤドクガエル(キオビヤドクガエル)ですが、笑える行動をしたので以下に記録しておきます。
…いつものように出されたハエをあっと言う間に平らげ、残った1匹を「ててちゃん(♀、写真上)」が食べたら…
 「俺にもくれよぉ」と「ててんちゃん(♂、写真下)」が絡みついてきました。

噛んだり乗ったりという荒っぽいことはしませんが、執拗に相手の口の方を覗きこんだりして結構シツコイです。(こういう行動が約2分ほど続きました)
「性格は陽気」と飼育入門書に書かれており、実際その通りなので餌とか与えやすく助かっているのですが、意外な一面を見たような気分です。

2016年7月18日月曜日

金魚リベンジマッチ

当館のルールに
金魚すくいのキンギョを連れて来てはならない
というものがあります。
これは5年ほど前に第1・第2学芸員が連れてきたキンギョが片端から半日以内に死んでしまったという悲劇を踏まえてのものです。
何故そんな短命だったのか?理由は簡単でお祭りの金魚掬いコーナーが
・エアポンプなし
・炎天下に直接さらされる
・浅い水深(約15cm)
・子供たちにつつき回される(おそらく、皮膚の粘膜は破けまくっていたかと)
・ギュウギュウ詰め(どうも、想定以上に入荷してしまった模様)
と、まるで絶滅収容所状態であったからであり、死にかけのを幾ら連れて帰ってきても手遅れだった、ということです。


5年前の悲劇。延べ15匹くらいに死なれた。ポンプや薬液など導入して最高のインフラを用意したが無駄に終わる。

それから5年。第1・第2学芸員は深く反省し、ルールを墨守しておりましたが、
第3・第4学芸員がアッサリ破ってくれました。
和金2匹様いらっしゃいませ…
今年は多少は環境が良かったのか、たまたま弱っていないキンギョを貰えたのか、1日経った現時点ではシェルターに籠りがちながらも死なずにエサをつついたりしていて、とりあえずは元気です。

仲良く二匹で同じシェルターに。
下半身だけ写っているのは先住者のカワムツ。↓
(4匹居たのですが、暑さ対策が遅れたからか・もしくは寿命で2匹になってしまいました)


クチボソ(左)がお邪魔。幸いにも縄張り争いなどは発生していない様子。

もう一つの先住者、スジシマドジョウ。暑さには最もタフな模様。

5年前の「絶滅収容所」体験が本当にトラウマなので、油断は全くしておりません。
「さて、何日保つやら」という感覚で飼育していきます。

2016年7月17日日曜日

【朗報】ファイアサラマンダー、復調

このところ訃報がやたら続いたので(残念なことに終結宣言できていない状況です)、たまには「うまく行った(治った)」系のお話を。
当館では基亜種のファイアサラマンダーを延べ三匹飼育していましたが、生存しているのは一匹だけです。最初の二匹は導入2、3年目で急激に皮膚が爛れて死んでしまいました。

導入直後の最初の二匹(2010年末)。餌食いもよく、倍ぐらいの大きさまで育ったのですが…

今度のは大丈夫か?とエサやりのついでに観察していたら何と導入半年で「症状」がでました…
・中途半端な脱皮を繰り返す
・色斑が褪せる
・脚(特に後脚)がブカブカに膨れ上がる
・水槽内でコバエがやたら飛んでいる
 詳しい方から「コバエ(のウジ)が色斑をかじるのが原因」との情報ほか貴重なアドバイスを頂き、以下の処方をしました。
・水槽をリセット、コバエ排除
→新しい水槽には水苔をいれない(コバエ成虫の温床になる)
・個体を1日数時間、溺死しない程度の水深の水槽に浸ける(皮膚についたウジを溺死させる)
・コバエが侵入しない冷所に水槽ごと入れる。
「冷所」こと格安1万円也で入手したワインセラー。高さ約1m。
設定可能温度は10〜18℃。といっても出力が小さいので真夏はどうしても22℃くらいまで上がってしまうが無いよりはるかに良い。ちなみにここ数年ワインを入れたことがありません(笑)
ファイアのほかにレッドサラマンダーの水槽が格納されています。
左にあるのはLPレコードプレーヤー、右がレコード。もう一つの、古臭い趣味です。

…以上の対応をした結果、約2週間で完治してくれました!
小生の対応よりも、この期間中食欲を落とさなかったファイアサラマンダーのタフさが決定打になったようです。(死亡したのはいずれも急激に食欲が落ちていました)
 このまま夏を乗り切るぞ!

…不思議な話ですが、コバエにたかられるのはファイアだけです(タイガーとかファイア、あとキオビヤドクガエルなどは全く無事)。毒々しい色をした色斑ですが、栄養が豊富にあるということなのでしょうか?