2015年5月24日日曜日

久々のアシナシコンビ

先入観ゼロでみたら「額縁に入れられた前衛画or書道」と思われそうですが、
土替え(←コバエ発生につき)で仮住まい中のヌメアシナシイモリです。 お久しぶりです。
大きい方(左)が「モコちゃん」、小さい方(右)が「チャコちゃん」といいます。
(第三学芸員・5歳が命名)


モコちゃん@脱走中 …ではなくて、 

手を差し伸べるとこの通り壁を乗り越えて寄ってきます。両棲類は色々見てきましたがジャレてくるタイプは彼らしか知りません… 


 チャコちゃんもこのとおり(というか、チャコちゃんのほうが先輩で人馴れも早かった)。人間の手のひらから餌に近いようなモノを感じているのですかね?

最近、餌を挙げてもアッというまに食べてしまうので「無愛想になったな…」と思っていたのですが、(向こうの意図はともあれ)何となくホッとしつつ作業をした次第です。

2015年5月23日土曜日

2代目「エサやりくん」(ヤドクガエル)

2号機、作りました。
…固定してスイッチONしたら2秒で飛んできましたよ!何て大胆な子!!
真面目に問い詰めたいのだが、
「ある時突然唸りをあげて振動する謎の円盤(直径は自分の倍以上)が部屋に入ってきたらどうする?」 
ヤドクさんたちの答えはこんななんでしょうか:
「なんか食い物があるみたいだから乗ってみる!振動?キニシナイ!!」

↓…さて、作成までの経緯に入らせて頂きます。

「生き餌はメンド臭い」
という超ヒトのご都合な動機で開発された初代「エサやりくん」、対象のキオビヤドクガエルさん(2匹)の図太い…おっと、鷹揚な性格のおかげもあってまずまずの成功をおさめましたが、以下の課題が残りました。
・跳ねさせた餌がモーターと反対側に偏ってしまう。
・乾燥餌でないと(=湿気を与えてしまうと)餌がはねてくれない。
これを解決すべく本日第2号機を制作しました。
日が開いたのはモーターが某人民共和国から届くのがクソ遅かったためです。秋葉原辺りで探したほうが早かったかな?(今でもそういうものを扱ってる街なのだろうか?)

まず、餌皿(振動板、普通のクリアフォルダーを丸く切ったもの)を円錐状にし、「偏り」を防ぐことに…
右は加熱処理(ライターで炙る)で加工しようとした失敗例です。
オーソドックスに切り込みを入れることにしました(左)。

電源は前回の倍のパワー単三直列2本!モーター(右)の許容電圧内であることは確認済です。

モーターを固定したところ。本当は円錐の頂点に貼りたいところなのですが、固定が面倒なのでやや中心からずらし、ダミーの餌を乗せて振動させ、調度良い感じの角度で固定…
(で、冒頭に戻る)

カエルたちの神経の太さには驚きました。前より遥かに振動音がデカくなっているので、「逃げ回られるかも」と思っていたら全くそういうことはナシ。
パワー倍増のお陰で湿った餌もきちんと跳ねるようになったのは助かります。
今は淡水魚用の配合飼料を与えていますが、ツノガエルフードにした方が良いかな?と考え中です。

アクアテラリウムにおける全景はこんな感じです。
モーター(テープが縦に貼られている箇所)側を上にして、5°ほどの傾斜をかけているのが画面から分かるでしょうか。
色彩については考えないことにしております。(改造する機会があったら背景に併せてベージュ色をベースにすべきか…)

2015年5月10日日曜日

「ガサガサ」にいきたい。

…というわけで先週行ってきたんですが、いわゆる「ボウズ」というやつでヌマエビしかとれませんでした。
 近所に沼や水田がない、というのは両棲類好きとしてはハンデですなぁ。
 (さらに寛大な地主、という重要なオプションも必要)

それでも根性(妄念)でとっ捕まえてきた人も、当館にきてはや1年。
三鷹市出身のニホンアカガエル。だいたい1歳でサイズは3cmほどなので、まだ大きくなるんじゃないかと。

捕まえてきた時はこんな↑感じでした。
子ガエルになった時に24時間で尻尾を吸収するわ、餌は何すりゃいいんだ!わで相当パニックしましたが、何とか無事成長。オスなんで※お嫁さん候補探しも兼ねて先週の「ガサガサ」だったんですが…
※キョロロロロ…と綺麗な声で鳴きます。
いちおうWCですが、変態期に餌付けされたので野生個体からは考えられないほど肝が座っています。

 八王子市出身のツチガエル。捕まえたときには変態済だったので年齢不明ですが、当館に迎えてからは2年弱が経過しました。
こいつはアカガエルとは違って根っからの野生なのでかなり警戒心が …薄くなってきました。シェルターに潜りっぱなしですが近づくと明らかに上の写真のように「餌狙い」の姿勢に入ります。→コオロギなどを放り込むと「処理」まで約0.5秒。猛然と襲いかかります。
館長はツノガエル系は飼育したことがないのですが、ショップとかで店員さんが世話しているのを見ている限りでは「食いっぷり」はよく似ています。
※鳴き声は「ぐえごげげげげげ」 →来客を仰天させるマストアイテム。

関西にいた時に捕まえてきた連中もしぶとく頑張っています。
芦屋市出身のアカハライモリ。「芦屋」というと関西の高級住宅街のイメージがありますが、実は北1/3は完全に六甲山地であり(ちなみに南1/3は交通の便が悪くて家賃も安め)、そこの某所で捕獲してまいりました。
2009年のことだから…今年で丸6年!イモリは長生きするので、脱走など馬鹿馬鹿しい最期を迎えさせぬよう(実は2匹同郷者を犠牲にしてしまっている)、大切に管理していきたいものです。

西宮市出身のアカミミガメ。特定種指定を受ける前に隣(当時)の公園の池から掬ってきました。彼も6年生なのですが、意外にデカくなりません(現在甲長8cmほど)。あと緑色も色落ちしません。もしかしたら茶色&どデカくなる「ミシシッピアカミミガメ」とは別種なのかもしれません。
(悪食で凶暴なところはミシシッピと全く変わりませんが)

あぁ、ガサガサしたい… できればアマガエルかアオガエル辺りで、ひとつ。

2015年5月4日月曜日

【続報&事件!】ヤドクガエル・自動エサやり機

1日経ちましたが、「エサやり君(いま適当に考えた商標?)」壱號機、無事稼働しております。湿気でモーターに悪影響がないか心配でしたが今のところきちんと防水できている様子です。
今日も淡水魚のエサを撒いてみたところきちんと食べてくれました。
が、やはり端っこに寄ってしまう…
一方で、「これは食い物だ」と学習したらしく、スイッチONの前から少しながらパクついたのにはちょっと驚きました。

対策として、「エサを湿らせて→バウンドを鈍らせる」というのをやってみましたが鈍るどころかペッタリ振動板にくっついてしまい失敗でした。
あと地面に散らばった餌の回収は困難であり、量が増えるとカビの温床になってしまうリスクがあります。
(今回はエサ兼用の清掃係としてワラジムシを放流しましたが)

やはり、弐號機作成にあたっては板をすり鉢or漏斗状にするか、「ヘリ」を付けるかする必要があるようです。 →というわけで本日モーターを改めて発注しました。

で、「事件!」というのは下の写真です。
モーターの振動が気持ちいいようで、真上で致してくれました。(二度にわたり) 
…まぁ、ウォシ●レットのような感じなんですかねぇ。
 便秘(恐らく)で一匹亡くしたばかりなので、「快便」は今は特に有難い話なんですが…

【訃報】スポットサラマンダー、急死

さきほど水槽をみたら池の中で固くなっていました。
「デブ!」とか笑っていたわけですが、深刻な腸閉塞を起こしていた模様です。
あとここ数日の室温の上昇も響いたかもしれません。
取り急ぎ処理はしましたが、第二学芸員に見られてしまい…
(静かに悲しまれています)

同科のタイガーサラマンダーでやりがちな「餌のやり過ぎ」かと。
長生きする種類なのに、大変残念なことをやらかしました。

「室温上昇」も心配なので急遽ワインセラーを稼働させ、冷え次第高温に弱い(とされる)レッドサラマンダーを収容することにします。

2015年5月3日日曜日

ヤドクガエル用「自動エサやり機」の制作と実演

まずは「エサやり機・壱号機」の映像から。

ヤドクガエルは色が綺麗・活発と飼っていてとても楽しいカエルなのですが、
・生き餌しか食べない
・口が小さい
というのがネックでどうしてもエサ代がかさんでしまいます。
ショウジョウバエは日保ちはするものの通販だと割高※、若齢コオロギは大きくなると食べられなくなってしまいので在庫できないという悩みがそれぞれあります。
それでも割安なコオロギメインで何とか回してますが…
※ショウジョウバエの養殖に挑戦したが当館だとどうしても培地がカビてしまい、挫折。

そこで、
配合飼料を振動させて生き餌と勘違いさせて食べさせる
という飼育入門書(「密林の宝石ヤドクガエル」P.106)簡単に案内されていた方法に挑戦してみることにしました。設計図など全く無かったので勘だけが頼りです。
ちなみに館長の最終学歴はコテコテの人文系です。

材料その1:単三電池、スイッチ付電池ケース、小型モーター
 小型モーターは携帯電話に使われるものです。
 Amazonで取り寄せたらいきなり中華人民共和国から国際便が届きました。
 電池ケースもモーターも本体は500円以下。

材料その2:ビニールテープ、水皿、クリアファイル(A5サイズ)
 どれもそこいらで手に入るものです。
 クリアファイルを水皿に合わせて丸く切り、太鼓の「腹」にします。
 固定・防水のためビニールテープを使用。

組み立て完了。10分程度でアッサリ終わりました。
(緑色の線は延長コード)
スイッチを入れたら …ブブブ、といい感じに「腹」(クリアファイルだったプラスチック板)が振動します。

これに淡水魚用の配合飼料(大きさが手頃)を乗せて、スイッチオン…!
あっさり食いつきに来ました。
ピョンピョン跳ねている餌をパクパクしてます!
さすが神経の太いキオビヤドクガエル様!!
(マダラヤドクガエル等は神経質な種は警戒してしまうかもしれません)

「突然の変な機械に逃げまわるのでは」と心配していたのですが、むしろ好奇心丸出しで寄ってきました。わざとモーターの真上で振動を楽しんでいたり。
(マッサージチェア?)

一応成功、ですがまだまだ課題があります。
・振動した餌が皿から転げ落ちたり縁で動かなくなる。
 →皿に「ヘリ」をつけると解消されるかもしれません。
 (参考にした本の写真はそんな感じでした)
  あと、餌をある程度湿らせておけば動きがおとなしくなるかも。
  配線に抵抗をつけるという方法があるかもしれませんが人文系なので面倒くさいからやりません(キリッ
・本当に魚の餌で良いのか
 →栄養バランス上は問題無いと思いますが、何となくツノガエルフードあたりを活用した方がいいような気がします。
・もうちょっとセンスの良いデザインにできないのか
 →無視します。なんか(自称)アクアテラリウム内の配色がえらいことになってるような気がしないでもありませんが。↓

実験が終わっても乗りっぱなしの二匹。
気に入ってくれたようです。
気まぐれにスイッチを入れても「おっとっと」程度の反応しかしません。

しばらくオーソドックスな餌(主としてコオロギ)と併用して様子を見てみることにします。あと、「弐号機」作成にも挑戦してみようかと。

2015年5月2日土曜日

他館視察研修(井の頭動物園)

黄金週間ということもあり、放置すると間違いなくギャースカ五月蝿い学芸員を連れて「他館視察研修」に行くことにしました。遊びじゃないぞッ!(キリッ
井の頭動物園・水生物園(分園)
実は関東に引っ越してから初めての視察です。

「分園」というだけあってアクセスは水路。
…ウソです。しっかり遊んでます。
 ここでボート遊びしたカップルは別れるというジンクスがあるそうですが…

「本園」では御年68歳の「花子」さんがお出迎え。
…40年ほど前、騒ぎを起こしてすいませんでした。
→館長(当時ガキ)はオヤジがよそ見した隙に迷子になって警察に保護されました。
 恥ずかしいことに、「交番でオシッコ漏らして大泣き」が一番古い記憶の一つだったりします。
 当時、交番はゾウ舎の真向かいにあったので、「花子」さんにはバッチリ見られていた筈です。(しかもゾウの記憶力はいいと来ている…)
 今回は迷子は出しておりません。

水生物園の両棲類達は …普通でした。
オオサンショウウオとかもいたけれど、相模川とか東山(名古屋)(別格)に比べるとどうも…
でもまぁお気に入りもありました。
いつか野生で観察したいシュレーゲルアオガエル。

ダルマガエル。「トウキョウ」が付いていない方は意外にも初見でした。

両棲類じゃないですが、トゲウオとその巣。ライブ?で見たのは初めてなので撮影。

「資料館」でこんな臨時展(巡回展)をやっていたので大いに期待して行ったら、ありきたりな自然保護の話がほとんどでガッカリ。
「水田の乾田化、水路の三面コンクリ化でカエルの生息圏が縮まりました」
って、副業・勤め人の館長に何をしろと。そりゃウシガエルの放流なんかしませんが。

なによりガッカリだったのが、エキストラゲストがニホンアマガエル一匹ということ。
ギャラリーの当方もさることながらアマガエルも不機嫌そうです。

スタンプラリーもあり、およそ3kmほどの散歩をしたことになりますが、学芸員たちは全然疲れた様子も見せず、帰りに「晩飯のデザートだ」といってイチゴを買って行ったら超ゴキゲンになってくれました。
とりあえず、黄金週間初日はクリア。

…あと4日あるのか、ふぅ。

【訃報】先日報告したオイカワ、やはり今朝亡くなっておりました。たぶん寿命かと。
 もう1匹も元気ですが痩せ気味で、鱗の光沢も鈍くなってきたのであまり長くないかもしれません。

2015年5月1日金曜日

魚、キノコ、ウ●コ、デブ…

5月になったとたん急に暑くなりました。
水族館の平均水温も25℃近くなっております。
(気温でなくて水温で寒暖を判断する館長)
…ことしは部屋ごと冷やそうかと思っているのですが、ちょっと待ってほしいですなぁ。

さて、そんな条件でマツモが爆殖してしまったので本日魚水槽で「剪定」(その実引っ張り出すだけ)を行いました。…ようやく写真が撮れると思ったら素早すぎる。落ち着け>魚
捕獲してから10ヶ月ほど経ったタモロコカワムツ(詳しい方からご指摘頂き、訂正しました)。最初はシラスサイズで全く何だか分からなかったが、ただ今堂々の5cm越え。水槽を大きくしてやれば10cm近く行くはずだが我慢してくれ…

マツモ全盛期に全く隠れてしまい生死すら分からなくなっていたヨシノボリの安否確認完了、とりあえず安心。

…と思っていたら、隣の水槽のオイカワがヤバい。平衡器官がやられているらしく写真のように倒立したり背泳したり。捕獲2年なので寿命かと(コイ科は種類によって寿命の差が激しい。更に、個体差もかなりあるような気がします)
→今(撮影から約1時間後)、完全に「プカ〜ン」状態。明日は生ゴミかカメの餌かな…

一方、同居人のキンブナは 健康そのもの。基本的にキンギョと同じなので、しっかり飼えば10年はいけるかと。

ドジョウ2匹。手前はシマドジョウ、奥はホトケドジョウ。後者は隠蔽性が強いはずなのですが、当館にいらっしゃると皆「なにそれ美味しいの?」になってしまいます。

魚水槽のラストを飾るのは、ドブシジミ。2枚貝は難しいと聞くが何故か2年間にわたって元気。カワニナやタニシは上のドジョウたちにホジホジされてしまったのに対して、その装甲のお陰か今日も元気に取水管を広げていました。


ここからは両棲類(とその周辺)のお話です。
マダラ&イボイモリの水槽のキノコの傘が立派に開いてきました。
今が見頃かな…と顔を近づけたら下方に立派な「モノ」が。

一方、「アイドルはウ●コしない」を体現しようとしたら体型の問題でアイドル卒業の効きにある方(スポットサラマンダー)。
コオロギ(1匹)週2回は決して与え過ぎではなかったと思うのだが、ウ●コをしないのではどうしようもありません。
先輩のレッドサラマンダーに倣って、「水洗便所」(溺れない程度の深さに水を張った水槽)に軟禁するか…

以上、とりとめもなく。GW中は学芸員の相手もさることながらメンバーのメンテにも追われそうです。